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微分係数と接線
定義 3.8 (接線) 点 における微分係数 を曲線 の 接線(tangent)と呼ぶ.点 , , からなる 三角形を考える. だからこの三角形は直角三角形である. の角度を とおくと
(259)
が成り立つ.斜辺 の傾きは である. のときの の極限を考える. まず を計算すると
(260) (261)
を得る. 傾き の極限が であるので, の極限も となる. よって における の極限 が存在し,
(262)
となる. 以上より, 点 に接するように極微小な三角形を描いたとき, その斜辺の傾きは であり, その角度は である.
例 3.9 (接線の方程式) 曲線 上の点 において 曲線に接する直線を接線と呼ぶ. 接線の方程式は
(263)
で与えられる. この方程式を導出する. 点 に接する極微小な直角三角形を考える. このとき三角形の斜辺の傾きは である. 次に極微小な三角形と相似で点 , を 斜辺とする三角形を考える. この三角形の斜辺の傾き は 相似図形であるから, となる. よって
(264)
が成り立つ. これより接線の方程式を得る. 接線の方程式は点 における関数 の 1 次(線形)近似ともいう. ちなみに関数 の における 0 次近似は である.
問 3.10 教科書(p.46)問題 3-2.
Kondo Koichi
Created at 2002/09/12