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2 関数のグラフ
軸と
軸を 直角に交わるように描き
平面 を用意する. 変数
の値を定義域内で変化させ,点
の軌跡を
平面内に描く. これにより関数
のグラフが得られる.
定義 2.3 (一価関数,多価関数) ある一つのの値に対する
の値の個数で 次のように関数を分類する.
- 一価関数(single valued function)
ある
に対して
の値がただ一つ定まる関数.
- 多価関数(many valued function)
ある
に対して
の値が複数定まる関数.
の値の個数が
個となることが分かっている場合は,
価関数(
-valued function)と呼ぶ.
定義 2.4 (逆関数)を方程式とみなし,
について解いたとき
が得られたとする. このとき
を逆関数(inverse function) と呼び
と書く. 変数の表し方が本質的でない場合は
と
を取り替えて
と書く.
例 2.5 (逆関数の具体例) 関数の逆関数を考える.
について解くと,
となるので, 逆関数は
となる.
と
を入れ替えると
である.
問 2.6 (逆関数のグラフ) 関数のグラフとその逆関数
のグラフは, 直線
に関して線対称である. これを示せ.
定義 2.7 (枝,主枝,主値) 多価関数が一価関数となるように値域を限定する. このとき得られる一価関数それぞれを分枝(branch)と呼ぶ. この分枝のうち代表する一つを 主分枝(principal branch)と呼ぶ. 主分岐は主値(principal value)ともいう.
例 2.8 (一価関数,多価関数,逆関数,分枝の具体例)は一価関数である. この関数の逆関数は
であり 2 価関数となる. 値域を
と
とに限定すると 一価関数が二つ得られる. すなわち分枝は
と
である.
問 2.9 参考書(p.19)問題 2-1.
定義 2.10 (単調関数) 関数が
をみたす 任意の点
,
(
) に対して
単調増加または単調減少である関数を 総称して単調関数(monotonic function)と呼ぶ.
が成り立つとき, 関数
は単調増加(monotonic increasing)であると呼ぶ.
が成り立つとき, 関数
は 広義の単調増加(monotonic increasing in the wider sense)で あると呼ぶ.
が成り立つとき, 関数
は単調減少(monotonic decreasing)であると呼ぶ.
が成り立つとき, 関数
は 広義の単調減少(monotonic decreasing in the wider sense)で あると呼ぶ.
例 2.11 (単調関数の具体例) 関数を考える.
のとき
は
において単調増加である. また
のときは
は
において単調減少となる. なぜなら
であり,
であることより,
の符号により
と
の大小関係が 定まるからである.
定義 2.12 (周期関数)を満たす関数を 周期関数(periodic function)と呼ぶ.
を周期(period)と呼ぶ.
定義 2.13 (奇関数,偶関数)を満たす関数を 奇関数(odd function)と呼ぶ.
を満たす関数を 偶関数(even function)と呼ぶ.
問 2.14 奇関数は原点に関して点対称のグラフとなる. 偶関数は軸に関して線対称なグラフとなる. これを示せ.
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Created at 2003/08/29