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9 正項級数の収束性判定法
定理 4.49 (比較判定法) 二つの正項級数
(485)
を考える. 数列,
がある正の整数
に対して
(486)
を満たすとき, 次の関係が成り立つ:
- (i)
が収束するとき,
も収束する.
- (ii)
が発散するとき,
も発散する.
例 4.50 (比較判定法の具体例) 級数を考える. 数列
,
とする. このとき
を満たす. また,級数
は収束する. よって定理より級数
もまた収束する.
定理 4.51 (比較判定法) 二つの正項級数
(487)
を考える. 数列,
が
(488)
を満たし,かつ級数が収束するとき, 級数
も収束する.
例 4.52 (調和級数) 級数を 調和級数(harmonic series)という. 調和級数は発散する.
(証明)調和級数
(489)
の各項を括り直して
(490)
と考える.ここでは
(491) (492) (493) (494)
であり,
(495)
とおいている.を満たす
をさがす.
に関して不等式
(496) (497)
が成り立つので,とおけば
を得る. よって比較判定法より
(498)
を得る.以上証明終り.
定理 4.53 (ダランベールの収束判定法) 正項級数は, 極限
(499)
により,級数の収束性の判定ができる:
- (i)
のとき,
は収束する.
- (ii)
のとき,
は発散する.
- (iii)
のとき,
の収束性は判定できない.
例 4.54 (ダランベールの判定法の具体例) 級数
(500)
を考える.であるから,
は正項級数である. よって
(501)
が成り立つので,ダランベールの判定法より級数は収束する.
例 4.55 (ダランベールの判定法で判定できない例) 調和級数を考える. 隣り合う項の比の極限は
(502)
となるのでダランベールの判定法定法では判定できない. 前述のように別の方法で行う.
問 4.56 参考書(p.180)問題7-3.
定理 4.57 (コーシーの収束判定法) 正項級数は, 極限
(503)
により,級数の収束性の判定ができる:
- (i)
のとき,
は収束する.
- (ii)
のとき,
は発散する.
- (iii)
のとき,
の収束性は判定できない.
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Created at 2004/08/14