1 変数関数
のテイラー展開は,点
のまわりで
について
展開すると
である.
とおいて,点
のまわりで
についての
展開に書き直すと
となる.
2 変数関数
のテイラー展開では,
点
のまわりで点
についての
展開を考える.
typing...
定理 2.112 (テイラー展開)
関数
![$ f(x,y)$](img192.png)
が
![$ n+1$](img845.png)
回微分可能なとき,
点
![$ (a,b)$](img245.png)
のまわりで点
![$ (x,y)=(a+h,b+k)$](img844.png)
についての
テイラー展開(Taylor expansion)は,
である与えられる.ただし,
![$ R_{n+1}$](img850.png)
は
剰余項(remainder)であり,
と与えられる.ただし,
![$ 0<\theta<1$](img853.png)
である.
例 2.113 (テイラー展開)
関数
![$ f(x,y)$](img192.png)
を点
![$ (a,b)$](img245.png)
のまわりで点
![$ (a+h,b+k)$](img854.png)
について
![$ 3$](img210.png)
次まで展開し,
![$ 4$](img379.png)
次以降を剰余項で表すと
となる.
例 2.114 (テイラー展開)
関数
![$ f(x,y)=x^2y+4y-5$](img859.png)
を点
![$ (1,-1)$](img132.png)
のまわりで
点
![$ (x,y)$](img202.png)
についてテイラー展開する.
まず,偏導関数は
である.
![$ 4$](img379.png)
階以降の偏導関数はすべて
0 となる.
また,点
![$ (1,-1)$](img132.png)
における偏微係数は
である.これを用いるとテイラー展開は
より,
となる.
多項式のテイラー展開は,多項式を単に変形した形となる.
例 2.115 (テイラー展開)
関数
![$ f(x,y)=e^{x+2y}$](img871.png)
を点
![$ (0,0)$](img182.png)
まわりで
点
![$ (h,k)$](img872.png)
についてテイラー展開する.
まず,
より
となるから,
![$ 1$](img236.png)
次項までのテイラー展開は
となる.
例 2.116 (テイラー展開)
関数
![$ f(x,y)=\sin(xy)$](img879.png)
を点
![$ (\frac{\pi}{2},1)$](img880.png)
のまわりで
点
![$ (x,y)$](img202.png)
についてテイラー展開する.
まず,
より,
となるので,テイラー展開は
である.展開を途中で打ち切ると
![$ f(x,y)$](img192.png)
の
![$ 2$](img104.png)
次の近似式
![$ f_2(x,y)$](img889.png)
が
と得られる.
例 2.117 (テイラー展開)
関数
![$ \displaystyle{f(x,y)=\log(1+x+y)}$](img891.png)
の
マクローリン展開を求める.
まず,
より,
となるので,マクローリン展開は
と得られる.
Kondo Koichi
平成18年1月18日