2.8 高階偏微分
関数
の 1 階偏導関数
,
は
,
に関する 2 変数関数であるから, さらに
または
に関して偏微分することができる. このとき
と表記する. これを2 階偏導関数という. さらに偏微分すると
と表記し3 階偏導関数という. さらに偏微分を繰り返して,
についてあわせて
回偏微分して できた導関数を
と表記し,階偏導関数という.
例 2.35 (高階導関数) 関数の高階偏導関数は,
となり,さらに階以上の偏導関数はすべて 0 となる. ここで,この関数の場合は
となることに注意する.
注意 2.36 (偏微分の可換性) 一般には偏微分は交換可能ではない:
定理 2.37 (偏微分の可換性) 関数において,
,
が存在し, かつこれらが連続関数であるとき,
が成り立つ. (注意)逆は成り立たない.
注意 2.38 (偏微分の可換性) 偏微分が可換となる十分条件は他にも色々あるが, 実用上は上の定理が一番有用である. ほとんどの普通の関数はこの定理の十分条件をみたし, 偏微分が,
について可換となる.
問 2.39 (偏導関数) 次の関数の高階偏導関数を計算し,,
,
となることを確認せよ.
(1)
(2)
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(3)
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(6)
(7)
Kondo Koichi
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平成19年1月23日