4.16 クラメールの公式
定理 4.98 (クラメールの方法) 連立 1 次方程式 に関して, 係数行列
(801)
が 次正方行列でかつ正則なとき, 方程式の解 は
(802)
で与えられる. これをクラメールの方法(Cramer's rule)という.
(証明) は正則であるから, 方程式 に左から を掛けると
(803)
が成り立つ. 成分で表すと
(804)
より
(805)
を得る. これは第 列の余因子展開だから
(806)
が示された.
注意 4.99 (クラメールの方法) 解をもつためには分母 が 0 となってはいけない. である必要がある. すなわち は正則のときクラメールの方法は 使用できる.
例 4.100 (クラメールの公式の使用例) 方程式
(807)
を考える. 行列式は
(808)
であり,解は
(809)
と求まる.
例 4.101 (クラメールの公式の使用例) 方程式
(810)
の解を求める.
(811)
であり, 解は
(812) (813) (814)
である.
Kondo Koichi KONDO Koichi
平成19年1月25日