6.1 不定積分
関数
に関して
で``微分をする''という操作を
という 演算子,作用素(operator)で表すとする. すなわち関数
に微分演算
を作用させるとは
のことである. この微分演算の逆演算を考える. これをと表記し
と表すことにする. 逆演算により得られる関数は 方程式
☆
をみたす関数と定義する. 定義からただちに分かるように, ある関数が 方程式(☆)をみたすとき,
を任意定数として関数
もまた 方程式(☆)をみたす. よって必ず
が成り立つ. 微分の逆演算は 通常
という記号を用いる. これで書き直すと
と表せる.
定義 6.1 (不定積分) 関数に対して, 微分演算
の 逆演算を
と表記し,
と定義する.ただしは任意定数である.
を不定積分(indefinite integral),
を被積分関数(integrand),
を積分定数(constant of integration),
を原始関数(primitive function)と呼ぶ.
平成19年10月3日