2.5 多変数関数の微分
1 変数関数 において, から への の増分は
である. このとき, 平面内の 2 点 , を 通る直線の傾きは となる. における の微係数は, 2 点を近づけたときの 傾き の極限
である. このとき は, 右から近づける と 左から近づける の両方を 含むことに注意する.一方,2 変数関数 においては, 定義域 内の点 から 点 への の増分
を考える. このとき 空間内の 2 点 , ( とおく)を通る直線の傾きは
となる. ただし, は点 , 間の 距離 である. 点 を点 に近づけたときの 傾き の極限を考える. 点 を点 へ近づけるとき, 近づける方向は 軸や 軸に沿った方向だけでなく, 全方向から近づけなければならない.
- (i).
- 全方向 から近づけたとき, 傾き の極限が 存在すれば, は全微分可能であるという.
- (ii).
- 軸に沿って , ( )と近づけたとき, 傾きの極限
が存在すれば, は に関して偏微分可能であるという.- (iii).
- 軸に沿って , ( )と近づけたとき, 傾きの極限
が存在すれば, は に関して偏微分可能であるという.
平成20年2月2日