4.10 ちょっとまとめ

定理 4.71 (行列式の性質)    
(1)
一つの行を $ \alpha$ 倍すると行列式は $ \alpha$ 倍となる.
(2)
一つの行が二つの行ベクトルの和で表せる行列式は, 他の行はそのままで, その行に各々の行ベクトルをとった行列式の和に等しい.
(3)
二つの行を入れ替えると行列式は $ -1$ 倍となる.
(4)
二つの行が等しい行列式は 0 である.
(5)
一つの行を $ \alpha$ 倍して別の行に加えても 行列式は変らない.

定理 4.72 (行列式の性質)    
(1)
一つの列を $ \alpha$ 倍すると行列式は $ \alpha$ 倍となる.
(2)
一つの列が二つの列ベクトルの和で表せる行列式は, 他の列はそのままで, その列に各々の列ベクトルをとった行列式の和に等しい.
(3)
二つの列を入れ替えると行列式は $ -1$ 倍となる.
(4)
二つの列が等しい行列式は 0 である.
(5)
一つの列を $ \alpha$ 倍して別の列に加えても 行列式は変らない.


(証明) $ \det({A}^{T})=\det(A)$ より, $ \det({A}^{T})$ に対する行の基本変形は, $ \det(A)$ に対する列の基本変形と等しい.




平成20年2月2日