3.3 導関数の計算
定理 3.9 (微分演算に関する性質) 関数,
が微分可能なとき, 次の関係が成り立つ:
- (1)
- (和の微分)
.
- (2)
- (微分の線形性)
(
,
:定数).
- (3)
- (積の微分)
.
- (4)
- (商の微分)
(
).
- (5)
- (合成関数の微分)
のとき
,
とおけば
この演算規則をチェインルール(chain rule)と呼ぶ.- (6)
- (逆関数の微分)
,
のとき
問 3.10 微分演算に関する性質を示せ.
(証明)(1)とおく. 定義に従い計算すると
を得る.(2)
とおく. 定義に従い計算すると
を得る.(3)
とおく.定義に従い計算すると
を得る.(4)
とおく.定義に従い計算すると,
を得る.
(5)
とおく.定義に従い計算すると
を得る. ここでとおくと,
となる.ここで
が成り立つ.よってのとき
である. 以上より
を得る.(6)
,
より
となる.の両辺は
に関する関数である. 両辺を
で微分すると
を得る.よって
となる.
平成22年6月17日