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正項級数の収束性判定法
定理 1.47 (比較判定法) 数列 , を考える. それぞれの級数の有限部分和を
(113)
とする., がある正の整数 に対して
(114)
を満たすとき以下が成り立つ:
- (a)
- が収束するとき, も収束する.
- (a)
- が発散するとき, も発散する.
例 1.48 (比較判定法の具体例) 数列 , を考える. このとき を満たす. また,級数 は収束する. よって定理より級数 もまた収束する.
例 1.49 (調和級数) 級数 を 調和級数(harmonic series)という. 調和級数は発散する.
(証明)調和級数
(115)
の各項を括り直して
(116)
と考える.ここで は
(117) (118) (119) (120)
であり,
(121)
とおいている. を満たす をさがす. に関して不等式
(122) (123)
が成り立つので, とおけば を得る. よって比較判定法より
(124)
を得る.以上証明終り.
定理 1.50 (ダランベールの判定法) 正項級数 は, 極限
(125)
により,級数の収束性の判定ができる:
- (a)
- のとき, は収束する.
- (b)
- のとき, は発散する.
- (c)
- のとき, の収束性は判定できない.
例 1.51 (ダランベールの判定法の具体例) 級数
(126)
を考える. であるから, は正項級数である. よって
(127)
が成り立つので,ダランベールの判定法より級数は収束する.
問 1.52 教科書(p.180)問題7-3.
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Created at 2002/09/12