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行列の演算に関する注意
注意 1.3 (積の可換性) は常に成立するとは限らない.
定義 1.19 (積の可換性) が成立するとき, と は可換(commutative)であるという. 可換でない場合は非可換(non-commutative)であるという.
問 1.6 (積の可換性) 可換となりうる行列は正方行列のみである. これを示せ.
例 1.17 (非可換な場合の具体例) 行列 , が
(67)
で与えられたとする.このとき
(68)
となる. よって となり, と とは非可換である.
例 1.18 (可換な場合の具体例) 行列 , が
(69)
で与えられたとする.このとき
(70)
となる. よって となり, と とは可換である.
問 1.7 (対角行列の可換性) 対角行列どうしの積は可換である.これを示せ.
(証明) 対角行列は , と表わされる. これを用いて示す.
注意 1.4 (行列の方程式) のとき または が成立するとは限らない. 数の場合は のとき または である.
例 1.19 (行列の方程式の具体例) 行列 , を
(71)
とする.このとき
(72)
となる. ではあるが , である.
定義 1.20 (行列の巾乗) が正方行列のとき, を 回掛け合わせた行列を
(73)
と表記し,これを の巾乗と呼ぶ.
定義 1.21 (巾零行列) ( ) を満たす行列 を巾零行列と呼ぶ.
例 1.20 (巾零行列の具体例)
(74) (75)
問 1.8 教科書(p.10)問題 1.2.
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Created at 2002/07/22