5.11 解析関数

定義 5.19 (解析関数)   関数 $ f(x)$ がテイラー級数で表されるとき, 関数 $ f(x)$解析的(analytic)であるという. 解析的な関数を解析関数(analytic function)と呼ぶ.

定理 5.20 (解析関数の性質)   関数 $ f(x)$, $ g(x)$ が解析的であるとき,次の関数

$\displaystyle \alpha\,f(x)+\beta\,g(x)\,,\quad f(x)g(x)\,,\quad \frac{f(x)}{g(x)}\,,\quad f(g(x))$ (666)

もまた解析的である.

5.21 (テイラー級数の計算例)   関数 $ f(x)=e^{x}$ のテイラー級数は

$\displaystyle f(x)$ $\displaystyle =e^{x}= 1+x+\frac{1}{2}x^2+\frac{1}{6}x^3+\cdots = \sum_{n=0}^{\infty}\frac{1}{n!}x^{n}$ (667)

と表わされる. このとき $ g(x)=e^{\alpha x}$ のテイラー級数を求める. $ g(x)$$ f(x)$ を用いると $ g(x)=f(\alpha x)$ と書ける. $ f(x)$ のテイラー級数の $ x$$ \alpha x$ を代入すると

$\displaystyle g(x)=e^{\alpha\,x}$ $\displaystyle = 1+(\alpha\,x)+\frac{1}{2}(\alpha\,x)^2+ \frac{1}{6}(\alpha\,x)^3+\cdots$ (668)
  $\displaystyle =1+\alpha\,x+\frac{\alpha^2}{2}x^2+ \frac{\alpha^3}{6}x^3+\cdots$ (669)

を得る. この展開式はテイラー級数の公式を $ g(x)$ に適用したものと 同じものとなる. 同様に $ g(x)=e^{-x^2}$ のテイラー級数は

$\displaystyle g(x)$ $\displaystyle =f(-x^2)=e^{-x^2}= 1+(-x^2)+\frac{1}{2}(-x^2)^2+\frac{1}{6}(-x^2)^3+\cdots$ (670)
  $\displaystyle =1-x^2+\frac{1}{2}x^4-\frac{1}{6}x^6+\cdots$ (671)
  $\displaystyle =\sum_{n=0}^{\infty}\frac{1}{n!}\left(-x^2\right)^n =\sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-1)^n}{n!}x^{2n}$ (672)

と求まる.

Kondo Koichi
平成17年8月31日