5.2 固有値と固有ベクトル
定義 5.1 (固有値問題)(
) 上の ベクトル空間
における線形変換
が方程式
☆
をみたすとする. このときを
の固有値(eigenvalue)といい,
を固有値
に属する
の 固有ベクトル(eigenvector)という. また,方程式(☆)を固有方程式(eigen-equation)といい, この方程式の固有値と固有ベクトルを求める問題を 固有値問題(eigen-problem)という.
注意 5.2 (固有値問題) 線形変換は必ず
をみたすので, 零ベクトル
は線形変換
によって 自分自身のスカラー
倍に写される. このとき
は任意である. よって
は固有ベクトルと定義しない.
例 5.3 (固有値,固有ベクトルの具体例) 線形変換;
を考える. ただし,
とする. このとき,
を代入すると
が成り立つ. よって線形変換の固有値は
と
である. 固有値
に属する
の固有ベクトルは
であり, 固有値
に属する
の固有ベクトルは
である.
例 5.4 (固有値,固有ベクトルの具体例) 線形変換;
を考える. ただし,
とする. このときを 代入すると
が成り立つ. よっては線形変換
の固有値である.
は固有値
に属する
の固有ベクトルである. 次に
を 代入すると
が成り立つ. よっては線形変換
の固有値である.
は固有値
に属する
の固有ベクトルである.
Kondo Koichi
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平成18年1月17日