6.19 曲線の長さ
定理 6.90 (曲線の長さ) 区間における関数
のグラフの曲線の長さは
により得られる.
注意 6.91 (曲線の長さ) 曲線のうちある点
のまわりの微小線分を
とする. このとき
を斜辺とする直角三角形を考える. その他の辺の長さを
,
とするとピタゴラスの定理より
が成り立つ. 数学的には厳密ではないが次の展開をすると微小線分は
と表される. 曲線の長さは微小線分
を全て足し合わせたものだから
となる.
例 6.92 (曲線の長さの計算例) 単位円の円周の長さを考える.より
だから 多価関数の枝を分けて
とする.このとき
が成り立つ.よって
を得る.
例 6.93 (曲線の長さの計算例)における曲線
の長さ考える.
であるから曲線の長さ
は
と表される.積分を計算する.置換積分として
とおく.すると
となる.双曲線関数の性質
を用いると
となる.
を用いると
となる.ここで
であることを用いると
を得る.
例 6.94 (曲線の長さの計算例) 前例題においてにおける曲線
の長さは
とおいて置換積分すると
と表される.
例 6.95 (曲線の長さの計算例)における曲線
の長さ考える. これはひもをつるしたとき重力でたわんでできるひもの曲線の形を表しており, 懸垂線(けんすいせん)という. これを計算する.まず,
より,曲線の長さは
と表される.
Kondo Koichi
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平成19年1月23日