2.6 関数
関数(function)とは, ある値
が与えられたとき, 何らかの演算規則
に従って値
を定め, その値
を返す機能のことである. 関数は
と書き表される. 例えばある関数をと書くことにすると,
のように,の左辺の括弧内の
がある数に書き置き換われば, 右辺の
もその数に置き換わる. そしてそれぞれの
に応じて値
が定まる.
入力
にある変換
を作用させ出力
を返す.これを
または
と表す.
定義 2.20 (関数に関する名称) 関数に関連して次の名称を定義する:
- 定数(constant)
一定の値を表す数.
- 変数(variable)
変化する値を表す数.
- 独立変数(independent variable)
自由に値を定めることができる変数
のこと.
- 従属変数(dependent variable)
独立変数
に応じて値が変化する変数
のこと.
- 定義域,変域(domain)
独立変数
がとり得る範囲
.
- 値域(range)
従属変数
がとり得る範囲
.
例 2.21 (関数に関する名称の具体例) 関数を考える. このとき
,
は定数であり,
,
は変数である. また
は独立変数であり,
は従属変数である. 定義域は
であり, 値域は
である.
定義 2.22 (グラフ)軸と
軸を 直角に交わるように描き
平面 を用意する. 変数
の値を定義域内で変化させ,点
の軌跡を
平面内に描く. この曲線を関数
のグラフ(graph)と呼ぶ.
平成19年10月3日