3.2 導関数

定義 3.7 (導関数)   関数 $ y=f(x)$ が連続関数であり, 定義域内の任意の点において微分可能であるとする. このとき関数

$\displaystyle f'(x)= \lim_{h\to 0}\frac{f(x+h)-f(x)}{h}$    

が存在する. $ f'(x)$$ f(x)$導関数(derived function, derivative)と呼ぶ. 導関数はまた

$\displaystyle \frac{d}{dx}y\,,\quad \frac{dy}{dx}\,,\quad y'\,,\quad f'(x)\,,\quad \frac{d}{dx}f(x)\,,\quad \frac{df(x)}{dx}\,$    

という表記も用いる. $ f(x)$ から導関数 $ f'(x)$ を求めることを 微分する(differentiate)という.

3.8 (導関数の計算例)   関数 $ f(x)=x^2$ の導関数を求める. まず

$\displaystyle g(x,h)=\frac{f(x+h)-f(x)}{h}$    

とおく.$ g(x,h)$ を計算すると

$\displaystyle g(x,h)= \frac{f(x+h)-f(x)}{h}=\frac{(x+h)^2-x^2}{h}=\frac{2hx+h^2}{h}=2x+h$    

を得る. これより

$\displaystyle f'(x)=\lim_{h\to0}g(x,h)=\lim_{h\to0}(2x+h)=2x$    

となる. 極限 $ f'(x)$ $ -\infty<x<\infty$ の任意の点において有限確定である. よって導関数 $ f'(x)$ が存在し $ f'(x)=2x$ が求まる.




平成21年6月1日