2.10 ランダウの記号
定義 2.49 (ランダウの記号) 関数 , に対して
が成り立つとき,
と表記する. はランダウ(Landau)の記号である. またこのとき, は に比べ無視できるという.
定義 2.50 (ランダウの記号) 関数 , に対して
が成り立つとき,
と表記する. はランダウ(Landau)の記号である. またこのとき は で押さえられるという.
注意 2.51 (二つのランダウの記号の関係) 関数 , に対して
が成り立つとき, であれば となるので
が成り立つ.
定義 2.52 (無限大,無限小) 関数 , が において無限小または 無限大となるとき,次の呼び方を定義する.
- , , のとき, は より高次の無限小と呼ぶ. または は より低次の無限小と呼ぶ.
- , , のとき, は より低次の無限大と呼ぶ. または は より高次の無限大と呼ぶ.
- , , のとき, と とは同次の無限小と呼ぶ.
- , , のとき, と とは同次の無限大と呼ぶ.
例 2.53 (ランダウの記号の使用例) の極限 において,
より
が成り立つ. よって, において と とは同次の無限小である. また,
より,
が成り立つ. よって, において と とは同次の無限小であり, は および より高次の無限小である.
例 2.54 (ランダウの記号の使用例) の極限 において,
より
が成り立つ. よって, において と とは 同次の無限大である. また,
より
が成り立つ. よって, において は より 低次の無限大である.
注意 2.55 (テイラー展開とランダウの記号) テイラー展開により
が成り立つ.なぜなら
となるからである.同様に
となることより得られる.
例 2.56 (ランダウの記号の使用例)
例 2.57 (ランダウの記号の使用例)
平成21年12月2日