2.39 接線
注意 2.171 (曲線の法線ベクトル) 平面内の曲線 上の点を パラメータ表示し, とおく. このとき,曲線上の 2 点 , は が十分小さいときテイラー展開して
と表される. のとき, ベクトル の向きと 接線の方向ベクトル の向きは等しくなる. よって, 接線の方向ベクトルは である. 一方, の両辺を で微分すると
となる.ベクトルで表すと
となる. は と直交する. よって,接線の法線ベクトルは である.
定理 2.172 (接線) 曲線 の点 における 接線の方程式は
で与えられる.ベクトルで表記すると
となる.
(証明) 接線は点 を通り, 法線ベクトルが の直線であるので, を得る. または,次のようにも示される. 条件 により定義される陰関数 を考える. このとき の導関数は
である. の における接線の方程式は
と表される.ただし, とおく.
例 2.173 (接線の方程式) 円 の点 における 接線の方程式を求める. 接線の法線ベクトルは
を用いて であり, 点 を通る直線であるから,
を得る.
例 2.174 (接線の方程式) 曲線 の点 における 接線の方程式を求める. まず,曲線の方程式を書き直して とおく. このとき,
であり,点 を代入して
となる. 接線の方程式は
であり, 書き直すと
を得る. 法線ベクトルが の直線である.
例 2.175 (接線の方程式) 曲線 の点 における 接線の方程式を求める.
より,接線は
と得られる. 法線ベクトルが の直線である. 方程式を書き直して
とする. 接線の傾きは で 切片は である.
と書き直す. 接線の 切片は で 切片は である.
平成21年12月2日