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連立一次方程式の基本変形
定義 2.3 (連立一次方程式の基本変形) 連立一次方程式に対する次のの操作を 連立一次方程式の基本変形と呼ぶ.
- (1)
- 一つの式を 倍する.
- (2)
- 二つの式を入れ替える.
- (3)
- 一つの式を 倍して別の行に加える.
連立一次方程式に基本変形をして得られた方程式と 元の方程式とは等価な方程式である. すなわち両者は同じ解をもつ.
連立一次方程式とその行列表現は,方程式としては等価なものである. 連立一次方程式の基本変形は, 行列表現では次の行列の行の基本変形となる.
定義 2.4 (行列の行の基本変形) 行列に対する次の操作を 行列の行の基本変形 (matrix elementary row transformation)と呼ぶ.
- (1)
- 一つの行を 倍する.
- (2)
- 二つの行を入れ替える.
- (3)
- 一つの行を 倍して別の行に加える.
定理 2.1 (掃き出し法) 拡大係数行列 に基本変形を繰り返し行ない,
(136)
の形に変形ができたとする. このとき解は
(137)
と得られる. この解法を 掃き出し法(sweeping-out method)または ガウスの消去法(Gaussian elimination)と呼ぶ.
例 2.4 (掃き出し法による計算例) 連立一次方程式
(138)
を考える. 基本変形を繰り返し行なう. 連立方程式とその拡大係数行列
(139)
に基本変形をほどこす. 第二式を 倍し第一式に加えると
(140)
を得る. 第一式と第二式を入れ換えて
(141)
となる.第二式を 倍し第一式に加えると
(142)
となる.第二式を 倍すると
(143)
を得る.結局拡大係数行列は
(144)
と変形された. 以上より,解は と求まる.
例 2.5 (掃き出し法による計算例) 連立一次方程式
(145)
を考える. 拡大係数行列に基本変形を繰り返し行ない,
(146)
を得る. 以上より,解は と求まる.
例 2.6 (掃き出し法による計算例) 連立一次方程式
(147)
を考える. 拡大係数行列に基本変形を繰り返し行ない,
(148)
を得る. 以上より,解は と求まる.
問 2.3 教科書(p.22)問題2.1.
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Created at 2002/07/22