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行列式の性質

定理 3.10 (行列式の行に関する性質)   行列式は次の性質もつ.

問 3.4   これを示せ.

定理 3.11 (転置行列の行列式)  

$\displaystyle \det(\,{}^{t}A)=\det(A)$ (269)

問 3.5   これを示せ.

定理 3.12 (行列式の列に関する性質)  

問 3.6   これを示せ.

例 3.14 (行列式の計算の例)  

定理 3.13  

$\displaystyle \det \begin{bmatrix}A & B \\ O & D \end{bmatrix} = \det \begin{bmatrix}A & O \\ C & D \end{bmatrix} = \det(A)\det(D)$ (270)

例 3.15 (計算例)  

定理 3.14  

$\displaystyle \det(AB)=\det(A)\det(B)$ (271)

例 3.16 (計算例)  

定理 3.15 (行列式と行列の正則性)   行列 $ A$ が正則行列のとき $ \det(A)\neq0$ が成り立つ.


(証明)

定理 3.16 (逆行列の行列式)  

$\displaystyle \det(A^{-1})=\frac{1}{\det(A)}$ (272)


(証明)

定理 3.17 (行列式の性質)    
(1)
一つの行を $ \alpha$ 倍すると行列式は $ \alpha$ 倍となる.
(2)
一つの行が二つの行ベクトルの和で表せる行列式は, 他の行はそのままで, その行に各々の行ベクトルをとった行列式の和に等しい.
(3)
二つの行を入れ替えると行列式は $ -1$ 倍となる.
(4)
二つの行が等しい行列式は 0 である.
(5)
一つの行を $ \alpha$ 倍して別の行に加えても 行列式は変らない.

定理 3.18 (行列式の性質)    
(1)
一つの列を $ \alpha$ 倍すると行列式は $ \alpha$ 倍となる.
(2)
一つの列が二つの列ベクトルの和で表せる行列式は, 他の列はそのままで, その列に各々の列ベクトルをとった行列式の和に等しい.
(3)
二つの列を入れ替えると行列式は $ -1$ 倍となる.
(4)
二つの列が等しい行列式は 0 である.
(5)
一つの列を $ \alpha$ 倍して別の列に加えても 行列式は変らない.


(証明) $ \det(\,{}^{t}A)=\det(A)$ より

$\displaystyle \det(\,{}^{t}A)$に行の基本変形$\displaystyle = \det(A)$に列の基本変形 (273)


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Kondo Koichi
Created at 2002/07/22