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定義 1.80 (基底)
ベクトル空間
![$ V$](img622.png)
が 1 次独立な基底
![$ \vec{u}_{1}$](img623.png)
,
![$ \vec{u}_{2}$](img624.png)
,
![$ \cdots$](img625.png)
,
![$ \vec{u}_{n}$](img626.png)
により生成される空間
として表されるとき,
ベクトルの組
を
![$ V$](img629.png)
の
基底(basis)という.
例 1.81 (基底の具体例)
![$ \mathbb{R}^n$](img630.png)
は
基本ベクトル
![$ \vec{e}_1,\vec{e}_2,\cdots,\vec{e}_n$](img631.png)
を用いて
と表される.
また,基本ベクトル
![$ \vec{e}_1,\vec{e}_2,\cdots,\vec{e}_n$](img633.png)
は
1 次独立であるから,
は
![$ \mathbb{R}^n$](img635.png)
の基底である.
これを
![$ \mathbb{R}^n$](img636.png)
の
標準基底(standard basis)という.
注意 1.82 (基底の取り方の非一意性)
基底の取り方は一意ではない.
例 1.83 (基底の具体例)
![$ \mathbb{R}^2$](img637.png)
の基底を考える.
![$ \mathbb{R}^2$](img638.png)
は標準基底
![$ \{\vec{e}_1,\vec{e}_2\}$](img639.png)
をもち,
と表される.
他の基底を考える.
例えば,
は基底となり得るか調べる.
まず,
であるから,
![$ \vec{u}_1,\vec{u}_2$](img643.png)
は 1 次独立である.
次に,
となるか調べる.
すなわち
![$ \mathbb{R}^2$](img645.png)
の任意のベクトル
![$ \vec{x}$](img646.png)
に対して
をみたす
![$ y_1,y_2$](img648.png)
が一意に定まるか調べる.
この式を書き換えると
となる.
これは
![$ \vec{y}$](img657.png)
についての非同次連立方程式
![$ P\vec{y}=\vec{x}$](img658.png)
である.
![$ \det(P)\neq0$](img659.png)
より
![$ P$](img660.png)
は正則であるから
であり,
となる.
![$ y_1,y_2$](img663.png)
は任意の
![$ x_1,x_2$](img664.png)
に対して一意に定まる.
よって,
![$ \mathbb{R}^2=<\vec{u}_1,\vec{u}_2>$](img665.png)
が成り立つ.
以上より
は
![$ \mathbb{R}^2$](img667.png)
の基底である.
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Kondo Koichi
Created at 2004/12/13