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ベクトル空間の基底の取り方は一意ではないので,
あるベクトル空間
に対して
が成り立つ.
ここで
,
,
,
と
,
,
,
とは
異なる基底の組である.
片方の組を基底とみなせば片方は 1 次従属なベクトルであるから,
と書ける.
ここで
はある定数である.
この関係式は
とも表される.
定義 1.123 (基底の変換行列)
ベクトル空間

の基底

,

,

,

と

,

,

,

に対して
をみたす行列

を
基底の変換行列という.
定理 1.124 (基底の変換行列の正則性)
基底の変換行列は正則である.
例 1.125 (基底の変換行列の具体例)
を考える.
このとき
をみたす基底の変換行列

を求める.
標準基底

,

を列ベクトルに並べた行列は
単位行列

となるので,
を得る.
例 1.126 (基底の変換行列の具体例)
を考える.
基底

に対する

の変換行列を

とおく.
つまり,
をみたす行列

を求める.
まず,標準基底

に対する
基底

と

の変換行列を

,

とおく.
すなわち,
が成立する.基底の変換行列は正則であるから,
を得る.これらより,
と表される.
よって
を得る.
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Kondo Koichi
Created at 2004/12/13