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ベクトル空間の基底の取り方は一意ではないので,
あるベクトル空間
に対して
が成り立つ.
ここで
,
,
,
と
,
,
,
とは
異なる基底の組である.
片方の組を基底とみなせば片方は 1 次従属なベクトルであるから,
と書ける.
ここで
はある定数である.
この関係式は
とも表される.
定義 1.123 (基底の変換行列)
ベクトル空間
![$ V$](img1103.png)
の基底
![$ \{\vec{u}_{1}$](img1104.png)
,
![$ \vec{u}_{2}$](img1105.png)
,
![$ \cdots$](img1106.png)
,
![$ \vec{u}_{n}\}$](img1107.png)
と
![$ \{\vec{u}'_{1}$](img1108.png)
,
![$ \vec{u}'_{2}$](img1109.png)
,
![$ \cdots$](img1110.png)
,
![$ \vec{u}'_{n}\}$](img1111.png)
に対して
をみたす行列
![$ P$](img1113.png)
を
基底の変換行列という.
定理 1.124 (基底の変換行列の正則性)
基底の変換行列は正則である.
例 1.125 (基底の変換行列の具体例)
を考える.
このとき
をみたす基底の変換行列
![$ P$](img1116.png)
を求める.
標準基底
![$ \vec{e}_{1}$](img1117.png)
,
![$ \vec{e}_{2}$](img1118.png)
を列ベクトルに並べた行列は
単位行列
![$ E$](img1119.png)
となるので,
を得る.
例 1.126 (基底の変換行列の具体例)
を考える.
基底
![$ \{\vec{u}_{1},\vec{u}_{2}\}$](img1123.png)
に対する
![$ \{\vec{v}_{1},\vec{v}_{2}\}$](img1124.png)
の変換行列を
![$ R$](img1125.png)
とおく.
つまり,
をみたす行列
![$ R$](img1127.png)
を求める.
まず,標準基底
![$ \{\vec{e}_{1},\vec{e}_{2}\}$](img1128.png)
に対する
基底
![$ \{\vec{u}_{1},\vec{u}_{2}\}$](img1129.png)
と
![$ \{\vec{v}_{1},\vec{v}_{2}\}$](img1130.png)
の変換行列を
![$ P$](img1131.png)
,
![$ Q$](img1132.png)
とおく.
すなわち,
が成立する.基底の変換行列は正則であるから,
を得る.これらより,
と表される.
よって
を得る.
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Kondo Koichi
Created at 2004/12/13