1.14 外積

定義 1.68 (外積)   $ \mathbb{R}^3\ni\vec{a},\vec{b},\vec{c}$ に対して, 外積(outer product) またはベクトル積(vector product)

$\displaystyle \vec{c}=\vec{a}\times\vec{b}$ (106)

と表記する二項演算である. $ \vec{c}$ の長さは $ \Vert\vec{a}\Vert\Vert\vec{b}\Vert\sin\theta$ であり, $ \vec{c}$ の向きは $ \vec{a}$$ \vec{b}$ に右手系で直交する方向である.

注意 1.69 (外積の長さ)   $ \vec{a}\times\vec{b}$ の長さは $ O$, $ A(\vec{a})$, $ B(\vec{b})$, $ D(\vec{a}+\vec{b})$ を頂点とする平行四辺形の面積である.

注意 1.70 (右手系)   $ 3$ 次元空間内の直交する座標軸 $ x$, $ y$, $ z$ を考える. 軸のとり方は二通り存在する. 親指,人差指,中指を互いに直交するように曲げる. このとき, これらの指の向きをそれぞれ $ x$ 軸,$ y$ 軸,$ z$ 軸の向きとする. 右手の指に対応させるときと, 左手の指に対応させるときでは生成される座標軸は異なる. それぞれ右手系左手系と呼ぶ. 通常は右手系を使うことが多い.

注意 1.71 (外積の向き)   外積 $ \vec{c}=\vec{a}\times\vec{b}$ では 右手の親指,人差指,中指と $ \vec{a}$, $ \vec{b}$, $ \vec{c}$ を 対応させる.



Kondo Koichi
平成17年9月15日