3.13 体積の計算
例 3.62 (球の体積) 半径の球の体積は
である. これを多重積分で求める.
(その 1) 球を 8 等分し底面が
であり,上面が
の体積
として求める. 2 次元の極座標,
とおくと, 領域
と等価な領域は
であり,面積素はとなるので,
と得られる.(その 2) 球を 8 等分し,領域
の体積
として求める. 3 次元の極座標,
,
とおくと, 領域
と等価な領域は
であり,体積素は
となるので,
と得られる.
例 3.63 (円柱の体積) 底面の半径,高さ
の円柱の体積は
である. これを多重積分で求める.
(その 1) 円柱の底面が
平面にあるとし,
とおく.円柱の上面は平面である. 円柱の体積は
と求まる. ただし,
とする.(その 2) 円柱の領域は
と表される. この領域を円筒座標,
,
で置き換えると,
の領域は
であり,ヤコビアンは
であるので,
が成り立つ. 円柱の体積は
と求まる.
![]()
例 3.64 (円錐の体積) 底面の半径,高さ
の円錐の体積は
である. これを多重積分で求める. 円錐の底面は
平面にあるとし, その領域を
とおく.軸と点
との距離を
とおくと, 円錐の斜面では図 (b) より,
が成り立つ.よって,斜面は
と表される.よって円錐の体積は
と求まる. ただし,極座標変換を用いて
とした.
問 3.65 (円錐の体積) 円錐の体積を
により求めよ.
(a) 円錐 (b)
例 3.66 (体積の計算) 半球
と無限にのびる円柱
の共通部分の体積
を求める. 領域
は
と表される. 領域は底面の領域を
とする曲面の体積であるから,
の体積
は
と求まる. ここで 2 次元の極座標,
を用いた. 領域は
は領域
と等価な領域で
である.
(a) (b) 領域
例 3.67 (体積の計算) 球
と円柱
の共通部分を球
から取り除いた領域
の体積
を求める. 領域
を 8 等分して体積を
により求める. 2 次元の極座標変換をすると底面の領域は
であり,体積は
と求まる.
例 3.68 (体積の計算) 領域
の体積を求める. この領域の平面の底面の領域は
であり,上面は平面となり,で表される. よって,体積は
と得られる.
問 3.69 (体積の計算) 2 つの円柱
の共通部分の体積
を求めよ.
Kondo Koichi
![]()
![]()
平成19年1月23日