1.37 平面と平面の交線

注意 1.177 (平面と平面の共通集合は直線)   $ x$, $ y$, $ z$ に関する非同次 1 次方程式の一般形は

$\displaystyle ax+by+cz+d=0$    

である.この方程式は $ xyz$ 空間内の 法線ベクトルが $ \begin{bmatrix}{a}\\ [-.5ex]{b}\\ [-.5ex]{c}\end{bmatrix}$ で点 $ (0,0,-d/c)$ を通る平面を表す. 非同次 1 次方程式を 2 本の方程式で連立すると

$\displaystyle a_1x+b_1y+c_1z+d_1=0, \quad a_2x+b_2y+c_2z+d_2=0$    

である.方程式のそれぞれは法線ベクトルが $ \begin{bmatrix}{a_1}\\ [-.5ex]{b_1}\\ [-.5ex]{c_1}\end{bmatrix}$ $ \begin{bmatrix}{a_2}\\ [-.5ex]{b_2}\\ [-.5ex]{c_2}\end{bmatrix}$ の 平面を表す. よって, この連立方程式の解集合は, 2 つの平面の共有点の集合である直線

$\displaystyle \frac{x-x_0}{a}=\frac{y-y_0}{b}=\frac{z-z_0}{c}$ (244)

となる. ただし, 交線をもつのは 法線ベクトル $ \begin{bmatrix}{a_1}\\ [-.5ex]{b_1}\\ [-.5ex]{c_1}\end{bmatrix}$ $ \begin{bmatrix}{a_1}\\ [-.5ex]{b_1}\\ [-.5ex]{c_1}\end{bmatrix}$ とが同じ向きではないときに限られる.

1.178 (平面と平面の交線)   二つの平面

$\displaystyle x-y-z=-1,\qquad 2x+y+4z=1$ (245)

の交線を求める. 第一式を $ -2$ 倍し第二式の加えると

$\displaystyle x-y-z=-1,\qquad 3y+6z=3$ (246)

となる. 第二式を $ 3$ で割ると

$\displaystyle x-y-z=-1,\qquad y+2z=1$ (247)

となる. 第二式を第一式に加えると

$\displaystyle x+z=0,\qquad y+2z=1$ (248)

となる.$ z=t$ とおくと

$\displaystyle \begin{bmatrix}x \\ y \\ z \end{bmatrix} = \begin{bmatrix}-t \\ -...
...{bmatrix}-1 \\ -2 \\ 1 \end{bmatrix} + \begin{bmatrix}0 \\ 1 \\ 0 \end{bmatrix}$ (249)

を得る. 交線は点 $ (0,1,0)$ を通る 方向ベクトル $ \begin{bmatrix}{-1}\\ [-.5ex]{-2}\\ [-.5ex]{1}\end{bmatrix}$ の直線である.

1.179 (平面と平面の交線)   連立方程式

$\displaystyle x-y-z-2=0, \quad 2x+y-z-5=0$    

で定まる直線を考える. この直線は 2 つの平面の共有点である. 第 2 式から第 1 式を引いて $ z$ を消去すると

$\displaystyle x+2y-3=0$    

であり,第 1 式と第 2 式を足して $ y$ を消去すると

$\displaystyle 3x-2z-7=0$    

となる. これらより

$\displaystyle x=\frac{y-\frac{3}{2}}{-\frac{1}{2}}=\frac{z+\frac{7}{2}}{\frac{3...
...d\Rightarrow\quad \frac{x}{2}= \frac{y-\frac{3}{2}}{-1}=\frac{z+\frac{7}{2}}{3}$    

を得る. 直線は点 $ (0,\frac{3}{2},-\frac{7}{2})$ を通り, 方向ベクトル $ \begin{bmatrix}{2}\\ [-.5ex]{-1}\\ [-.5ex]{3}\end{bmatrix}$ の直線である. また,パラメータ表示すると

$\displaystyle x=2t, \quad y=-t+\frac{3}{2}, \quad z=3t-\frac{7}{2}$    

である.$ t$ は任意であるから, $ t$ $ t+\frac{1}{2}$ と置き換えると,

$\displaystyle x=2t+1, \quad y=-t+1, \quad z=3t-2$    

となり,式が簡単となる. このとき平面の方程式は

$\displaystyle \frac{x-1}{2}= \frac{y-1}{-1}= \frac{z+2}{3}$    

となる.直線は点 $ (1,1,-2)$ も通る.


平成20年2月2日