1.9 恒等写像,逆写像

定義 1.33 (恒等写像)   写像 $ f:X\to X$ がすべての $ x\in X$ に対して $ f(x)=x$ をみたすとき, $ f$恒等写像(identity mapping)といい,

$\displaystyle f=\mathrm{id}$    

と表記する.

1.34 (恒等写像の具体例)   写像 $ f:\mathbb{R}\to\mathbb{R};y=f(x)=x$ は 恒等写像である.

定義 1.35 (逆写像)   写像 $ f:X\to Y$, $ g:Y\to X$ の合成写像が

$\displaystyle g\circ f=\textrm{id}$    

をみたすとき, $ g$$ f$逆写像(inverse mapping)といい,

$\displaystyle g=f^{-1}$    

と表記する.

1.36 (逆写像の具体例)   写像 $ f:\mathbb{R}\to\mathbb{R};y=f(x)=2x+1$ の 逆写像は $ f^{-1}:\mathbb{R}\to\mathbb{R};x=f^{-1}(y)=(y-1)/2$ である.

1.37 (逆写像をもたない具体例)   写像 $ f:\mathbb{R}\to\mathbb{R};y=f(x)=2x^2+1$ の 逆写像 $ f^{-1}$ は存在しない.




平成20年2月2日