3.28 ベクトルで張られる部分空間の次元
定理 3.113 (ベクトル空間の次元と階数) 部分空間
の次元は
である.
(証明) ベクトル の 1 次独立なベクトル最大個数は である. , , が 1 次独立であるとすると, その他のベクトル , , は これらの 1 次結合で表されるので,
となる.このとき の任意のベクトルは
である. よって の基底は となり, 次元は となる.
例 3.114 (部分空間の次元の具体例) ベクトル
で生成される の部分空間
を考える.この次元を求める. , , を列ベクトルする 行列 を簡約化して
を得る. このとき , , が成り立つので, , は 1 次独立であり, が成り立つ. ベクトルの組 , , の 1 次独立なベクトルの最大個数は である. の任意のベクトルは
と表される. , は任意であるから
が成り立つ. , は 1 次独立であるから, の基底は , となる. よって
を得る.
平成20年2月2日