4.11 恒等変換の表現行列

定理 4.53 (恒等変換の表現行列)   恒等変換 $ f:V\to V$ の表現行列は単位行列である.


(証明)     $ V$ の基底を $ \{\vec{u}_1,\cdots,\vec{u}_n\}$ とする. このとき $ f$ は恒等変換であるから,

$\displaystyle f(\vec{u}_1)=\vec{u}_1, \quad \cdots, \quad f(\vec{u}_n)=\vec{u}_n$    

をみたす.よって

$\displaystyle \left(f(\vec{u}_1),\,\, \cdots,\,\, f(\vec{u}_n)\right)= \left(\v...
...dots,\,\, \vec{u}_n\right)= E \left(\vec{u}_1,\,\, \cdots,\,\, \vec{u}_n\right)$    

となるので,表現行列は単位行列 $ E$ となる.




平成20年2月2日