4.15 直交行列と正規直交系
定理 4.69 (直交行列と正規直交系) 行列が直交行列であることと, 行列
の列ベクトルまたは行ベクトルが正規直交系であることとは, 必要十分条件である.
(証明) 直交行列
を列ベクトルに分割し
とおく.より,
となるので,
を得る. 行ベトクルに対しても同様の操作でより示される.
定理 4.70 (直交行列と正規直交基底) 内積空間において,
,
,
と
,
,
を正規直交基底とする. このとき,基底
,
,
から
,
,
への 変換行列
は直交行列となる.
(証明)
は基底の変換行列なので,
と書ける.これより,
である. この式とより
を得る.より
が成り立つ.
の列ベクトルが正規直交系となるので,
は直交行列である.
問 4.71 (直交行列の具体例) 次の行列は直交行列であることを示せ.
問 4.72 (直交行列の具体例) 直交行列はすべて
の形で表される. これを示せ.
例 4.73 (直交行列の具体例) グラム・シュミットの直交化法で正規直交化されたベクトル
を列ベクトルとして並べた行列
は直交行列となる.
平成20年2月2日