4.20 $ \mathbb{R}^2$ における鏡映変換

定義 4.86 (鏡映変換)   typing...

4.87 (鏡映変換の具体例)   $ x_1$ 軸に関する鏡映変換を考える. 任意の点 $ (x_1,x_2)$ $ (y_1,y_2)=(x_1,-x_2)$ に写されるので, 鏡映変換は

$\displaystyle f:\mathbb{R}^2\to\mathbb{R}^2;\qquad \vec{y}= \begin{bmatrix}y_1 ...
... & 0 \\ 0 & -1 \end{bmatrix} \begin{bmatrix}x_1 \\ x_2 \end{bmatrix} = A\vec{x}$    

と表される.表現行列は $ \displaystyle{A=
\begin{bmatrix}
1 & 0 \\
0 & -1
\end{bmatrix}}$ である.

4.88 (鏡映変換の具体例)   $ x_2$ 軸に関する鏡映変換を考える. 任意の点 $ (x_1,x_2)$ $ (y_1,y_2)=(-x_1,x_2)$ に写されるので, 鏡映変換は

$\displaystyle f:\mathbb{R}^2\to\mathbb{R}^2;\qquad \vec{y}= \begin{bmatrix}y_1 ...
...1 & 0 \\ 0 & 1 \end{bmatrix} \begin{bmatrix}x_1 \\ x_2 \end{bmatrix} = A\vec{x}$    

と表される.表現行列は $ \displaystyle{A=
\begin{bmatrix}
-1 & 0 \\
0 & 1
\end{bmatrix}}$ である.

4.89 (鏡映変換の具体例)   直線 $ x_2=x_1$ に関する鏡映変換を考える. この直線は $ x_1$ 軸に対して $ \displaystyle{\frac{\pi}{4}}$ の角度であるから, $ \displaystyle{-\frac{\pi}{4}}$ 回転するとこの直線は $ x_1$ 軸と重なる. このとき鏡映変換は $ x_1$ 軸に対する鏡映変換とみなせる. 鏡映変換された点を $ \displaystyle{\frac{\pi}{4}}$ 回転すると 直線 $ x_2=x_1$ に関する鏡映変換とみせる. よって,合成変換となるので表現行列は

$\displaystyle \begin{bmatrix}\cos\frac{\pi}{4} & -\sin\frac{\pi}{4} \\ \sin\fra...
...& \cos\frac{\pi}{4} \end{bmatrix} = \begin{bmatrix}0 & 1 \\ 1 & 0 \end{bmatrix}$    

となる. 直線 $ x_2=x_1$ に関する鏡映変換は

$\displaystyle f:\mathbb{R}^2\to\mathbb{R}^2;\qquad \vec{y}=A\vec{x}= \begin{bma...
...egin{bmatrix}y_1 \\ y_2 \end{bmatrix} = \begin{bmatrix}x_2 \\ x_1 \end{bmatrix}$    

である. 表現行列は $ \displaystyle{A=
\begin{bmatrix}
0 & 1 \\
1 & 0
\end{bmatrix}}$ である. 任意の点 $ (x_1,x_2)$$ (x_2,x_1)$ に写される.

注意 4.90 (鏡映変換行列と直交行列)   鏡映変換の表現行列は直交行列となる.


平成20年2月2日