2.42 接平面
注意 2.183 (曲面の法線ベクトル) 曲面 上の曲線を パラメータ表示して とおく. このとき,
が成り立つ.両辺を で微分すると
0
となる.ベクトル表記すると
である. は 曲線 の接ベクトルと常に直交する.曲面 上の点 において, この点を通るあらゆる曲線 を考える. 便宜上 , , とおく. あるベクトル が この曲線の接ベクトル と常に直交するとする. このとき, を 曲面 の法線ベクトルという. 曲線の接ベクトル に 直交するベクトルは であるから, 法線ベクトルは である.
定理 2.184 (接平面) 曲面 の点 における 接平面(tangent plane)は
で与えられる.ベクトルで表記すると
となる.
注意 2.185 (接平面) グラフ の点 における接平面は, とおき接平面を求めればよい. , , であるか,
となり,接平面は
と表される. この右辺は関数 の 点 まわりのテイラー展開の 1 次近似と等しい.
例 2.186 (接平面) 球 の点 における 接平面を求める.
より,接平面は
と求まる. 法線ベクトルが の 平面である.
例 2.187 (接平面) 曲面 の 点 における接平面の方程式を求める. まず,曲面の方程式を書き直して
とする.
より,接平面は
である. 法線ベクトルが の 平面である.書き直して
とする. 平面と 軸, 軸, 軸との交点はそれぞれ , , である.
例 2.188 (接平面) 曲面
の点 における接平面を求める. まず,
より,接平面は
である. 法線ベクトルが の 平面である.書き直して
とする. 平面と 軸, 軸との交点はぞれぞれ , である. 軸とは交点をもたず, 軸と平行な平面である.
例 2.189 (接平面) 関数 の点 における接平面は,
より,
と得られる. 接平面を標準形で書くと
である.この平面の法線ベクトルは である. また,
と書き直す. 平面と 軸, 軸, 軸の交点は , , である.
平成21年12月2日