2.47 陰関数の極値問題

2.222 (陰関数の極値)   条件 $ F(x,y)=x^2+xy+2y^2-1=0$ で定まる 陰関数 $ y=f(x)$ の極値を求める. $ y=f(x)$ の導関数は

$\displaystyle y'=-\frac{F_{x}}{F_{y}}= -\frac{2x+y}{x+2y}$    

である. ただし,導関数が存在するのは $ x+2y\neq 0$ のときである. $ y'=0$ をみたす $ (x,y)$ を求める. $ y'=0$ より,$ 2x+y=0$ である. これを変形して $ y=-2x$$ F=0$ へ代入すると,

$\displaystyle F(x,-2x)=x^2+x(-2x)+2(-2x)^2-1= 7x^2-1=0$    

である. $ x=\pm1/\sqrt{7}$ より, 極値の候補は

$\displaystyle (x,y)= \left( \frac{1}{\sqrt{7}}, \frac{-2}{\sqrt{7}} \right), \left( \frac{-1}{\sqrt{7}}, \frac{2}{\sqrt{7}} \right)$    

である. $ y''$ を求める.

$\displaystyle (x+2y)y'+(2x+y)=0$    

の両辺を微分すると,

$\displaystyle (1+2y')y'+(x+2y)y''+(2+y')=0$    

より,

$\displaystyle y''=-\frac{(1+2y')y'+y'+2}{x+2y}$    

となる. $ (x,y)=(\pm/\sqrt{7},\mp2/\sqrt{7})$ (復号同順) のときの $ y''$ の値を求める.

$\displaystyle y''=-\frac{0+0+2}{\pm/\sqrt{7}\mp2/\sqrt{7}}= \pm2\sqrt{7}$    

となるので, $ f(1/\sqrt{7})=-2/\sqrt{7}$ は極小値, $ f(-1/\sqrt{7})=2/\sqrt{7}$ は極大値である.


平成21年12月2日