5.6 における線形変換の固有空間
例 5.17 (線形変換の固有空間の具体例) 線形変換 ; の固有空間を求める. ただし,
とする. まず,固有多項式は
である.よって より 固有値は , (2 個)である. のとき
より,固有空間は
となる. のとき
より,固有空間は
となる.の基底は であり となる. の基底は であり となる. また,
より は 1 次独立であり,
であるので,
が成り立つ. は と に直和分解される. は の基底となる.標準基底 に関する の表現行列は である. 基底 に関する の表現行列を求める. , の座標を , とすると,
と座標変換が得られる. これを用いて, 線形変換 を座標変換すると
と表される. よって,基底 に関する の表現行列は
となる. また,あらたな座標 のもとでの は より
と表される.
平成20年2月2日