5.27 ユニタリー行列

定義 5.78 (ユニタリー行列)   行列 $ A\in\mathbb{C}^{n\times n}$$ A^{*}A=E$ をみたすとき, $ A$ユニタリー行列(unitary matrix)という.

注意 5.79 (ユニタリー行列と直交行列)   ユニタリー行列 $ A$ の要素が実数のみであるとき, $ AA^{*}=A{A}^{T}=E$ よりユニタリー行列は直交行列となる.

定理 5.80 (ユニタリー行列の性質)   $ A$ をユニタリー行列とする.次が成り立つ.
(1).
$ \det(A)=\pm1$.
(2).
$ A$ は正則である.
(3).
$ A^{-1}=A^{*}$.

定理 5.81 (ユニタリー行列と正規直交系)   行列 $ A\in\mathbb{C}^{n\times n}$ がユニタリー行列であることと, $ A$ の列ベクトルまたは行ベクトルが 正規直交系であることとは, 必要十分条件である. ただし,内積は $ \mathbb{C}$ 上の内積を用いる.

5.82 (ユニタリー行列と正規直交系)   直交行列の場合と同様に示せ.

5.83 (ユニタリー行列の具体例)   次の行列がユニタリー行列となることを示せ.

$\displaystyle E= \begin{bmatrix}1 & 0 \\ 0 & 1 \end{bmatrix}, \quad \begin{bmat...
... \\ \frac{1}{\sqrt{6}} & \frac{i}{\sqrt{6}} & \frac{2}{\sqrt{6}} \end{bmatrix}.$    




平成20年2月2日