3.25 基底
定義 3.99 (基底) ベクトル空間が 1 次独立なベトクル
,
,
,
により生成される空間
として表されるとき, ベクトルの組
をの基底(basis)という.
例 3.100 (基底の具体例)は 基本ベクトル
を用いて
と表される. また,基本ベクトルは 1 次独立であるから,
はの基底である. これを
の標準基底(standard basis)という.
注意 3.101 (基底の取り方の非一意性) 基底の取り方は一意ではない.
例 3.102 (基底の具体例)の基底を考える.
は標準基底
をもち,
と表される. 他の基底を考える. 例えば,
は基底となり得るか調べる. まず,
であるから,は 1 次独立である. 次に,
となるか調べる. すなわちの任意のベクトル
に対して
をみたすが一意に定まるか調べる. この式を書き換えると
となる. これはについての非同次連立方程式
である.
より
は正則であるから
となる.は任意の
に対して一意に定まる. よって,
が成り立つ. 以上より
はの基底である.
平成20年2月2日