3.39 正規直交基底における座標
定理 3.159 (正規直交基底における 1 次結合) 内積空間 において, 基底 , , , が 正規直交基底であれば, 任意のベクトル は
と表される.
(証明) ベクトル と
の両辺との内積をとると
を得る.
例 3.160 (正規直交基底における 1 次結合) の点 は, 標準基底 , における座標であり,正確に書くと である. この点の位置ベクトルは
となる. 正規直交基底
における座標を求める. なすわち, の係数 を求める. は 正規直交基底であるから,
より
を得る. 基底 における座標は である.
例 3.161 (正規直交基底における 1 次結合) の点 は, 標準基底 , , における座標であり,正確に書くと である. この点の位置ベクトルは
となる. 正規直交基底
における座標を求める. なすわち, の係数 を求める. は 正規直交基底であるから,
より
を得る. 基底 における座標は である.
定理 3.162 (正規直交基底における内積) 内積空間 において, , , を 正規直交基底とする. ベクトル , の 座標をそれぞれ , とする. このとき
が成り立つ.
(証明) , は
と表される.このとき より
を得る.
平成20年2月2日