3.46 ベクトルで生成される部分空間の直交補空間
定理 3.200 (直交補空間の次元)の部分空間
の次元は
である. 一方,の直交補空間
は 方程式
の解空間であり,
となり,次元は
である.
(証明)
の任意のベクトルは
と表される.の元
は
であり
をみたす. これより,
となる.は任意の実数であるから,
が成り立つ. これは
であり,
と表される. よっては方程式
の解空間である.
例 3.201 (直交補空間の具体例)における部分空間
の直交補空間を求める.
の任意のベクトルを
とする.
は
の任意のベクトル
と 直交するので
が成り立つ. こりより,
と表される. すべての,
について成り立つためには
をみたさなければならない. この連立方程式を書き直すと
であり,
となる. これを解く. 係数行列を簡約化すると
となるので,解は
となる. よって,直交補空間は
と得られる.より
は 1 次独立である. よって
であるので,
が成り立つ. また,
,
は
の 基底となることに注意する. つまり
である.
平成20年2月2日